レポート−REPORT

「DESIGN WEEK KYOTO 2024 -Evolving “MADE IN KYOTO”-」学生参加レポート③

MADE IN KYOTO TOUR【8/27(火) in 京都市南部・宇治エリア】「デジタル × モノづくり 〜DXな働き方とは〜」

今年も5日間に渡って開催された「DESIGN WEEK KYOTO 2024 -Evolving "MADE IN KYOTO"-」MADE IN KYOTO TOURSの2日目に参加させていただきました。この日は、「デジタル × モノづくり 〜DX な働き方とは〜」というタイトルの通り、モノづくりにおけるデジタル技術の関わりについて学ぶ機会となりました。
同志社大学広告研究会add’sからは、会長、副会長、そしてイギリス留学帰りの私の3人で参加させていただきました。
今回のツアーでは、地域の歴史とモノづくりの各現場がどのような関わりを持っているのかを知るコーディネーターである「X-Culture Coordinator(クロスカルチャー・コーディネーター)」が、私たち参加者と担い手との対話を通じて議論を引き出してくださいました。

  • ツアーのスケジュール

    ①美研繊維でのオープンサイト(10:30~11:30)
    ②ランチ(約1時間 )
    ③日双工業でのオープンサイト(13:00~14:00)
    ④ITAYA KOBOでのオープンサイト(14:30~15:30)

集合場所は竹田駅。参加者が集まり、マイクロバスで美研繊維へ向かいました。
バスの中では、自己紹介や今回のツアーの内容について話しながら、有意義な時間を過ごしました。

①美研繊維でのオープンサイト(10:30~11:30)

美研繊維では、従来のアナログな製法と、インクジェットプリントというデジタルの製法の両方を行なっているところが珍しいとのこと。
アナログの製法では、まず染料を作るところから始まり、作りたい色になるよう常に確認し、試行錯誤を繰り返さなければならず、大変だということを肌で感じました。
一方、デジタルの製法では、染料を作るという概念が無く、家にあるプリンターのインクを大きくしたようなものを使い、機械で色を印刷していました。
アナログの製法では、1色ずつしか色をつけることが出来ませんが、デジタルプリントは色数は無制限に染めることができます。色付けの手間や時間の観点ではデジタルの製法の方が効率的かもしれません。
またデジタルの製法の発達により、まるで写真のような模様をプリントすることが可能になり、より小ロットからの制作も可能になりました。
しかし、インクジェットプリントではアナログの製法のように裏地まで色が浸透せず、裏側は綺麗に見えないため、アナログでしか表現できない「味」や風合いもあることを再確認しました。

アナログ捺染の様子

②炭焼き家「粋」でランチ Lunch(約1時間 )

唐揚げ定食をいただきました。
直前まで留学していたこともあり、とても美味く感じたことが印象に残っています。
社会人の方々も参加しており、ランチ中も有意義な時間になりました。

③日双工業でのオープンサイト(13:00~14:00)

日双工業は金属加工を主に行なっている会社です。
通常、金属加工では金属の準備やデザインなど、各分野のエキスパートが分担して行う形が主流ですが、日双工業ではすべての工程を1人で行うそう。
金属の特徴をよく知っている人がデザインから完成までを一貫して行うので、高い精度を維持できるというメリットがあるとのことでした。
日常的に使われているモノがどう出来るのかがよく理解でき、驚きと発見の連続でした。

金属加工の様子

④ITAYA KOBOでのオープンサイト(14:30~15:30)

ITAYA KOBOは自然素材にこだわり、設計から施工まで一貫して手掛ける住宅・造作家具の工房です。
木や土、光、風を活かし、シンプルかつ上品な住空間を提供しています。
元鉄工所を改修し、ショールーム、オフィス、加工ファクトリーを備えた空間にリノベーションされています。
ショールームには、西日本最大級の英国製スチール薪ストーブが展示されており、特に興味を惹かれました。
郊外に住みたいというお客さんが多いため、自ずと薪ストーブの導入が増えているそうです。

薪ストーブの説明を聞く一行

まとめ ・ 総括

駅に向かうバスの中で、参加者同士ツアーの感想を話し合いました。
普段は体験できない貴重な機会に、皆が満足している様子でした。
ツアーを通じて、情熱を持ってものづくりに取り組む方々と出会い、自分の中に新たな選択肢が生まれました。
私は来年から就活活動が始まりますが、今回経験したことを大切にし、たとえ自分がその分野に進まなかったとしても、今後は作り手の思いを意識しながら、生活したいと思います。

執筆:同志社大学広告研究会add’s 西村 領真