同志社大学広告研究会 add’s のメンバーでメインイベントのひとつである「モノづくり対話」に参加いたしました。8月31日㈯「モノづくり対話」の初日は、台風の接近により、対面とオンラインのハイブリッド形式での開催に。add’sの面々はオンラインで参加しました。
レポート−REPORT
「DESIGN WEEK KYOTO 2024 -Evolving “MADE IN KYOTO”-」学生参加レポート⑤

DESIGN WEEK KYOTO 2024- Evolving “ MADE IN KYOTO” モノづくり対話 8月31日(1日目)
3つのテーマから捉える「モノづくり対話」
最初のテーマは「アニミズムなモノづくり」。自然から作りだし、やがて自然に還していたモノづくりが、自然から遠ざかっている現状に疑問を呈するところから始まりました。話題は自然への畏怖と感謝、そしてその中でモノづくりを受け継ぐ方々のエピソードへ。京都の伝統産業は、従来の表層的なものよりもっと根っこの部分を広めていくべきだ、という提起も。伝統であることと、自然とつながっているかどうかは関係ないというお話には、はっとすると同時に深く納得させられました。
「地域に合ったモノづくり」というテーマの回は、「里山」なる地でそれぞれの分野における課題と向き合い、ビジネスに重きを置かない開拓をがむしゃらにすすめるゲスト3名の話。「目に見えないものを価値化し、“やる事”自体に価値がある状態にしたい」というゲストスピーカーの方々の意思は、本質に向き合うことを忘れた現代において、まさに革新をもたらすものだと感じました。
「地域に合ったモノづくり」をテーマに消費社会における価値観共有と利益の生み出し方を考える回では、ヨーロッパと日本における「職人」と呼ばれる人たちの捉えられ方の違いが語られました。ブランドMUJUNを手掛ける小林新也さんの「自然を活かして自然に生かされる相互関係をつくれてこそ職人と呼べるのではないか。」という言葉が印象的でした。自分自身に挑戦し目標のために突き進む、最高の仕事をこなす方の話をじっくり聴かせていただきました。
各テーマごとに、少人数のグループに分かれてディスカッション。モノづくりに熱意や関心があり多様な背景をもつ方々、そしてゲストスピーカーも交えた深堀りの対話。ディスカッション後、グループの感想や質問をゲストスピーカーに投げかける場もあり、さらに議論や理解が深まった時間でした。
そして今年はテーマ画像作成や同時翻訳機能といった至る所にAI技術の片鱗が。AI化が進む中でも「ヒトだからこそできること」を考えさせられた、濃密な一日でした。
DESIGN WEEK KYOTO 2024- Evolving “ MADE IN KYOTO” モノづくり対話 9月1日(2日目)
9月1日最終日の「モノづくり対話」についてレポートしていきます。
会場は京都リサーチパーク (KRP) 1号館、DESIGN WEEK KYOTOの大きな旗やモニターに映されたメインビジュアルが印象的です。
ファウンダーの北林功さんが太鼓を打ち鳴らし始まりましたDESIGN WEEK KYOTO 2024 ‐Evolving ”MADE IN KYOTO”-
今日もまた様々なクリエイターの想いが共鳴します。
今年から初の試みとして「モノづくり対話」を全て英語で行い、その会話はAIにより自動的に日本語と英語で文字起こしされました。これからの社会の多様化と私たちの在り方も変化していくのだと実感した瞬間でした。
「アート視点から考察する、これからのモノづくりの可能性」
最初のプログラムでは北林功さんが進行を務めゲストの金島 隆弘さん、Juliette Chevalierさんが日本とフランスそれぞれの視点からスピーチがあり、その後、参加者の方が自分のバックグラウンドを元にディスカッションを行いました。
ものづくりや表現の在り方にそれぞれの国のマインドが現れており、その違いについて知ることが出来て、見聞を広げることが出来ました。
「考え込むより旅に出よう。旅とモノづくりの新しい関係性。」
北林功さんが進行を務め、ゲストのEnzio Wetzelさん、Feilang Tsengさん、田房 夏波さんによる、それぞれのバックグラウンドや活動を踏まえた、旅に関するスピーチがありました。その後、参加者によるディスカッションと交流が行われました。
対話の議題には、「旅は一人で行くべきか」「長い期間一つの国に滞在するか、短期間で様々な国を旅するか」などがあがりました。対話は、具体的な話から抽象的な話まで、様々な方面へ広がり、多くの気づきを生み出してくれました。

台風の影響により、クロージングパーティは中止になってしまいましたが、プログラム終了後も会場内の熱は冷めず、参加者によるコミュニケーションは続いていました。
9月1日、京都リサーチパークにて、各地から多様な人が集まり、交わり、語り合いました。
様々な想いや交流により紡がれた糸は、未来につながる価値を織り上げていくと思います。
1日目執筆:同志社大学広告研究会add's 安藤舞音・ばんば美海
2日目執筆:同志社大学広告研究会add's 林ありす・藤川輝