ストーリー−STORY

DESIGN WEEK KYOTO / DESIGN WEEK TANGO のロゴ誕生秘話

DESIGN WEEK KYOTO のロゴ

2016年の DESIGN WEEK KYOTO 初開催以来、ウェブサイト、ポスター、フライヤー、SNS などでたくさんの人の目に触れてきた DWK のロゴマーク。紫と金のツートーンと、当初からの DWK のコンセプト「OPEN YOUR SI’GH’TE」(SIGHTEは、「視点」を意味する「SIGHT」と「現場」を意味する「SITE」をかけ合わせたもの)の裏に隠された、DWKの思いを深堀りします。

きっかけはポートランド

アメリカ・ポートランドで開催される DESIGN WEEK PORTLAND に着想を得て、ファウンダーの北林が DESIGN WEEK KYOTO の構想を描き始めたときから頭にあったのは、100年後のモノづくりの未来につながるイノベーションを起こすこと。

「都のモノづくり」の真髄とプライドを表す色とデザイン

日本の都として1200年の歴史を誇る京都の礎が築かれた平安時代、京都の町は碁盤の目状、つまり正方形の区画で構成されていました。時代は下って安土桃山時代、時の太閤秀吉は、正方形の区画の真ん中に新しく道を通すという大改革をもって土地の有効活用を促し、町全体の活性化に成功します。

正方形を縦に並んだ2つの長方形で構成する DWK のロゴに込められているのは、「碁盤の目を分割する」という秀吉の思い切った改革に並ぶほどのインパクトを、京都の街に起こしたいという、そして、秀吉の大改革のごとく、DWK が数百年後の人々に残せるインパクトを生み出したいという思いです。

深い金色と紫色は、京都の伝統色の中でも最上級の品格を表す色の組み合わせ。「京都=最上級」というあこがれを、日本中、世界中から受け止め、人々を満足させる「都のモノづくり」のプライドと責任に、まさに相応しい色です。

京都のモノづくりに関わるさまざまな人が混ざり合い、そこから最上級の新たなモノ、サービス、アイデアを生み出したいという気概を表現しています。

DESIGN WEEK TANGO 2021 のロゴ

2021年6月、普段は一般に公開されていない京丹後と与謝野のさまざまなモノづくりの現場21カ所が OPEN HOUSE に参加し、DESIGN WEEK TANGO 2021 を初開催しました。

京都府の北端に位置する京都の丹後地域は、海と山に囲まれた自然豊かなエリアです。アジアでも有数のシルク産地で、日本の着物の7割が丹後で生産された生地から生まれています。ちりめんなどの織物をはじめ、機械金属や農産の分野でも、丹後には世界に誇れるモノづくりが古くから根付き、技術や知識を継承してきました。

丹後のモノづくりは、数千年に及ぶ長い時間をかけて、丹後に暮らす人々が、丹後の恵みを享受し、知恵を重ねて今に伝えてきた結晶そのもの。どんなに時代が移り、技術が進歩し、人の生活スタイルが変わったとしても、丹後という地域はすべてを静かに受け入れてきました。

丹後地域の自然は、山も海も田畑も、色がとても深い。太古の昔から悠然とそこにある自然と、そこでの暮らしや産業を守り続けてきた人の思いの重なりが、そう感じさせるのかもしれません。

丹後地域のふるさとの色と、天に飛翔する龍

丹後地域に生まれ、暮らす人がふるさとの景色として心に浮かべる色、何かの縁でこの地域に足を運んだことがある人が心を奪われ、いつまでも忘れることがない色。それは、丹後の海の深い青と山々の濃い緑。

ふたつの色はその境界を共有し、世界には隔たりなどなく、空や風や光でひとつにつながっていることを教えてくれます。丹後地域を表すシンボリックなふたつの色が右に向かって昇っていく背景は、日本三景のひとつ、天橋立からインスパイアされたもの。

天に飛翔する龍に例えられる天橋立のように、丹後のモノづくりも、境界を持たず、様々な人、モノ、インスピレーションが混ざりあい、100年後に続いていくような交流が生まれてほしいという願いを、DESIGN WEEK TANGO のロゴに込めました。